【医療相談013】体臭(冷や汗、腋臭を含めて)の手術に関する相談内容

【相談】
体臭(冷や汗、腋臭を含めて)の手術について知りたいです。街中で行われる脱毛手術などではなく、投薬や食事改善、運動なども含めた対策を含めて、何かやっている病院や医療機関があれば、通院も含めて実行したいと考えています。また、問題の大部分を解決するためには手術が有効なのか、ある大学病院では手術で完治すると聞いたので、相談させていただきました。
57歳 男性 会社員

【アドバイス】

汗を出す汗腺は2つあります。全身に分布して身体全体から汗を出し、体温調節の役割を果たす「エクリン汗腺」と、わきの下、股間、耳の中、乳首の周りなど特定の場所に集中している「アポクリン汗腺」です。「アポクリン汗腺」から出る汗はベトベトとして粘り気があり、たんぱく質・脂質・鉄分・色素などを含んでいます。やや黄色味があり、ニオイもあり、汗じみ・黄ばみ、そしてわきがの原因となります。このアポクリン汗腺は皮脂腺と毛穴につながっていて、アポクリン汗腺から出た汗が皮脂と混ざり合い、さまざまな雑菌が付着することで、わきが特有の嫌な臭いが発生します。

腋臭症の手術はアポクリン汗腺の除去が主体です。ワキガの臭いを元から改善することができ、また汗の量も軽減できます。手術の方法はさまざまですが、個々の患者によって術後のひきつれなどが多く見られることもあり、また手術自体も高度な技術を要するため、大学病院の形成外科を利用するのが最も安心です。投薬などでは一時的な効果しか得られず、食事では改善することは難しいです。

局所的な多汗症の場合、肺の裏側の交感神経節を内視鏡下で焼灼することにより、局所の多汗を抑える治療も可能で、これは麻酔科によるペインクリニックで行われています。