【大腸内視鏡検査に関するご相談】
会社の健康診断で「大腸検査」を受けることを勧められた方から、痛みを伴う大腸内視鏡検査の代わりに、痛みの少ない検査方法がないかというご相談をいただきました。3年前に大腸内視鏡検査を受けた際、強い痛みを経験されたとのことです。
まず、大腸カメラ(内視鏡)検査に代わる痛みの少ない検査方法として、「大腸3D-CT検査」があります。これは、内視鏡を使わずに、炭酸ガスを使用して大腸を膨らませ、CTスキャンで3D画像を作成し、腫瘍やポリープの検出を目的とした検査です。しかし、放射線被ばくが伴うこと、病変発見時には組織採取やポリープ切除のために内視鏡検査が必要になる場合があるというデメリットもあります。
次に、大腸内視鏡検査の痛みについてです。
この検査では、特にS状結腸と横行結腸の曲がった部分で痛みが生じやすいとされています。痛みの主な原因は、腸の蛇行部分に不要な圧力がかかることにあります。痛みを軽減するためには、腸をできるだけ直線化しながらスコープを進める技術が必要です。また、検査中に過剰な空気を送り込むことで起こる腹部の膨満感や痛みを避けるための工夫もされています。
苦痛を減らすためには、意識下鎮静法や、空気の代わりに水を使う方法、内視鏡のサイズや種類を選ぶことなど、様々な対策があります。また、内視鏡検査は医師の技術に大きく依存するため、受診する医療機関や医師の選択も重要です。内視鏡の専門医や指導医の資格を持つ医師を選ぶことをお勧めします。
ご自身の状態や不安に応じて、適切な検査方法を医師と相談しながら選ぶことが大切です。痛みを最小限に抑えた検査方法を選択できるよう、医療機関には遠慮なくご相談ください。