【医療相談035】坐骨神経痛

【相談内容】

昔から腰痛の持病がありましたが、ここ2〜3年、ぎっくり腰をきっかけに頻繁に腰痛が出るようになりました。
お尻から右足首にかけて強い痛みがあり、坐骨神経痛と診断されていますが、椎間板ヘルニアではないと言われています。
症状がひどい時は、右側の腰が曲がって突き出たようになります。
現在は患部を温める程度の対応しかしていません。良い治療方法はありますでしょうか。

62歳 男性 飲食業自営

【アドバイス】

坐骨神経痛は「病名」ではなく、腰から足にかけて走る神経(坐骨神経)に沿って現れる痛みやしびれの総称です。
そのため、重要なのは「どこで、何が原因で神経が刺激・圧迫されているか」を明らかにすることです。

■ 主な原因

坐骨神経痛の原因として、以下のような疾患が考えられます。

  • 腰部椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 梨状筋症候群(お尻の筋肉による神経圧迫)
  • 椎間関節症(加齢や負担による関節の変性)

本ケースではヘルニアが否定されているとのことから、脊柱管狭窄症や椎間関節由来の痛み、筋肉による神経圧迫などが疑われます。

また、「腰が曲がる」「片側に偏る」という症状は、痛みを避けるための防御姿勢(疼痛性側弯)である可能性があります。

■ 検査の重要性

坐骨神経痛の治療では、原因の特定が非常に重要です。

・MRI検査
・CT検査
・神経学的診察

などにより、どの神経がどの程度圧迫されているかを評価します。

特に、症状が長引いている場合や再発を繰り返す場合は、改めて精密検査を受けることを推奨します。

■ 治療の選択肢

治療は大きく「保存療法」と「外科的治療」に分かれます。
① 保存療法(まず行われる基本治療)

・消炎鎮痛薬(内服薬)
・湿布や外用薬
・コルセットによる腰部安定
・神経ブロック注射(痛みの軽減)
・理学療法(温熱療法・ストレッチ・筋力強化)

現在行っている「温める」ことも有効な対処の一つですが、それだけでは不十分な場合が多く、運動療法との併用が重要です。

② 理学療法・運動療法

再発予防・改善のためには、以下が重要です。

・体幹(腹筋・背筋)の強化
・股関節周囲の柔軟性改善
・姿勢の見直し

特に飲食業のように立ち仕事が多い場合、腰への負担が蓄積しやすいため、日常動作の改善も重要な治療の一部です。

③ 注射治療

・神経ブロック注射
・椎間関節ブロック

痛みの原因部位に直接アプローチすることで、症状の軽減と動きの改善が期待できます。

④ 手術療法

以下のような場合に検討されます。

・保存療法で改善しない
・日常生活に強い支障がある
・筋力低下やしびれの進行
・排尿障害など神経症状がある

ただし、原因が明確でない場合は手術適応にならないことも多く、慎重な判断が必要です。

■ 注意すべき症状

以下の症状がある場合は、早めの受診が必要です。

・足の力が入りにくい
・しびれが強くなっている
・排尿・排便障害
・安静時でも強い痛みが続く

■ まとめ

現在の症状は、単なる腰痛ではなく神経が関与した慢性的な状態と考えられます。
温めるだけでなく、原因の再評価と、運動療法を含めた総合的な治療が重要です。

特に、再発を繰り返している点からも、一度しっかりと整形外科での精査(MRI等)と治療方針の見直しを行うことをおすすめします。