【ご相談内容】
3年前、夜中に咳が止まらないことが続き、病院で安静時狭心症の疑いがあると言われ、しばらく投薬を続けていましたが、昨年2月に服薬を中止しました。
今年2月に少し息苦しさを感じたため、1週間ほど薬を再開しました。
最近も時々息苦しさを感じることがあり、痰が切れない状態が続いています。
健康診断では毎年、心電図に異常はありません。
本当に狭心症なのでしょうか。
（55歳・男性・会社員）
【医師からのアドバイス】
息苦しさや痰が出るとのことですが、喫煙習慣はありますか？
もし喫煙されている場合は、まず禁煙を強くおすすめします。
今回の症状から考えると、心臓よりも気管支や肺など呼吸器系の異常を一度調べてみたいところです。
胸部レントゲン検査や痰の検査は比較的簡単に行えますので、医療機関を受診し、主治医の先生とよくご相談ください。
・安静時狭心症について
安静時狭心症とは、その名の通り安静にしている時に起こる狭心発作のことを指します。
典型的には、夜間や早朝に胸の苦しさ、圧迫感、胸痛などが現れます。
このタイプは「異型狭心症」と呼ばれ、冠動脈に明らかな狭窄が見られないことも多く、症状がない時の心電図は正常であることが少なくありません。
一方で、冠動脈に異常があり安静時にも症状が出る狭心症も存在します。
冠動脈の状態を詳しく調べるには、最終的には入院のうえ心臓カテーテル検査が必要になります。
・今回の症状から考えられること
今回のご相談内容から判断すると、狭心症の可能性は低いと考えられます。
夜間の咳だけで安静時狭心症と判断することは少なく、狭心症による咳の場合は、他にも胸部症状を伴うことが多い傾向があります。
また、息苦しさや痰が心臓の異常によって起こるケースもありますが、その場合は心臓の機能がかなり低下している状態であることが多く、安静時だけでなく、動いた時（労作時）にも症状が出ることが一般的です。
・検査について
狭心症は、症状が出ている最中の心電図で異常が確認できれば診断が確実です。
ただし、来院時には症状が落ち着いていることも多いため、
必要に応じて24時間心電図（ホルター心電図）などの検査について、主治医の先生にご相談されるとよいでしょう。