【医療相談025】主人の内服薬と妊娠

【相談内容】

子どもを授かりたいと考えていますが、主人がアトピーのため薬を使用しています。その薬が「強い薬だから妊娠に影響があるのではないか」と本人が心配しています。現在内服している薬は、アイピーディカプセル100mgとゼスラン3mgで、外用薬としてプロトピック軟膏0.1%を使用しています。私は「大丈夫」と伝えているのですが、なかなか信じてもらえません。専門の先生に正しい情報を教えていただきたく、ご相談させていただきました。
(32歳・女性・介護職)

【アドバイス】

ご主人が内服されている アイピーディカプセル(イミダクロプリド)100mg および ゼスラン(エピナスチン)3mg は、いずれも抗アレルギー薬に分類されるお薬です。作用機序は異なりますが、喘息・アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・アトピー性皮膚炎などに幅広く使用されており、これらを服用している患者さんが妊娠を避けるべきという報告はありません。従って、男性が服薬していても、妊娠への影響は特に問題ないと考えられます。

次に、プロトピック軟膏0.1%(タクロリムス)についてです。
この成分は、内服薬や注射薬として使う際には催奇形作用や胎児毒性が動物実験で報告されているため、妊婦さんには禁忌とされています。しかし、外用薬として皮膚に塗布する場合は体内に入る量がごくわずかであり、通常の使用では妊娠に影響する心配はありません。ただし、塗布部位にびらんや潰瘍があると吸収量が増えるため、そのような場合は注意が必要です。

また、男性がプロトピック軟膏を使用していても、配偶者の妊娠や胎児に悪影響を及ぼすという報告はありません。万一、妊婦さん本人が誤って少量を塗布してしまったとしても、ただちに重大な影響が出ることは考えにくいとされています。

【結論】
ご主人が指示通りに アイピーディ・ゼスランを服用し、プロトピック軟膏を外用している範囲では、妊娠を避ける必要はありません。安心して妊活を進めていただいて良いでしょう。