【医療相談018】不妊症

不妊症

 

【相談内容】
結婚して3年になりますが、まだ子どもができません。近くの産婦人科に通っています。検査の結果、LHというホルモンが高いと言われました。他の検査には異常はなく、黄体ホルモンが高いと排卵しにくいと言われました。基礎体温を見ながら排卵期に卵胞測定をし、タイミングを計ることと、HCGというホルモン剤の注射をしていますが、この治療で大丈夫なのか不安があります。また、体外受精を考えた方が良いのか、なぜ黄体ホルモンが高くなるのか、生活上で注意すべきことがあるか知りたいです。
33歳 女性 会社員(事務職)

 

【アドバイス】
結婚して2年(日本の場合)たっても子どもができない場合、不妊症とされます。LH(黄体形成ホルモン)は排卵を促すホルモンで、治療にはHCGという注射を行います。LHとHCGは似たホルモンで、異常があるかは主に他の検査結果で判断されます。検査内容によっては、下垂体の負荷試験(TRH負荷試験やLHRH負荷試験)や子宮卵管造影法などが一般的に行われます。約1/3の不妊症患者にこれらのホルモンのアンバランスが見られ、ストレスが原因とされることもあります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は排卵後に上昇し、子宮内膜を厚くして受精卵を着床させる役割があります。そのため、ある程度高い方が良いですが、卵胞ホルモン(エストロゲン)や排卵を促すホルモンも重要です。エストロゲンが過剰になると卵の質が低下し、排卵しにくくなることがあります。

基礎体温の測定は重要で、特に水銀体温計を用いることが推奨されます。デジタル体温計は誤差が出ることがあるため注意が必要です。排卵期には超音波検査で卵胞を測定し、排卵のタイミングを確認しますが、自然周期では排卵率が低いため、排卵誘発剤を使うとより確実に排卵が促されます。

不妊治療においては、子宮卵管造影法で卵管の閉塞がないか確認したり、精子の数や質の検査も行います。卵管の閉鎖や精子が少ない場合には体外受精が選択肢となりますが、自然妊娠や体外受精のどちらでも、子宮内膜が受精卵を受け入れる状態に整っていることが重要です。ホルモンバランスの異常や黄体ホルモン不足があると、妊娠しにくくなる可能性があります。

1つの卵が発育するのに約85日かかるため、少なくとも3ヶ月は同じ治療を継続することが大切です。